競輪学校の募集要綱では、男子・女子ともに受験資格として以下の事項が定められており、以下の条件を満たした受験者に対し、年に1回入学試験が行なわれる(現在の内容は第101期(男子)・第102期(女子)受験者より適用のもの)。
日本国内に居住する者(国籍は不問)で、入学予定日の時点で満17歳以上の者(年齢の上限は無し)
92期までは受験時に満24歳未満という年齢制限もあった。93期以降は年齢制限のうち上限が撤廃され満24歳以上でも受験が可能となったことで、早速93期では1979年生まれ(当時27歳)の西谷岳文や1971年生まれ(当時35歳)の奥平充男(ともに京都)、1977年生まれ(当時29歳)の南原照也(千葉)などといった、これまでの制度では受験資格のなかった異色の合格者が誕生した。101期以降でも、合格者は20代前半以下が圧倒的に多いものの、毎回30代の合格者も少なからずいる(女子では102期で当時48歳の高松美代子が合格している)。
学校教育法に定める高等学校・中等教育学校・大学(短期大学を含む)・高等専門学校のいずれかを卒業した者、又は卒業する見込みの者、もしくはこれと同程度の学力を有する者であること(高卒資格保持者)
高卒資格はなくても、高認(旧大検)合格でも受験資格が得られる。内村竜也(山口、93期)や日野未来(奈良、114期)などが大検または高認合格である。
なお、45期までは筆記試験に合格することを条件に中卒でも入学できた(谷津田陽一、山口国男ら)。
以下のいずれにも該当しないこと
ア. 競輪選手として登録された者(消除者を含む)
イ. 禁錮(こ)以上の刑に処せられた者
ウ. 自転車競技法、小型自動車競走法、競馬法、日本中央競馬会法又はモーターボート競走法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられた者
エ. 成年被後見人、被保佐人又は破産者で復権を得ない者
オ. 反社会的勢力との関係が疑われる者
カ. 日本競輪学校に在籍中または在籍したことがある者で、日本競輪学校校則第18条に定める在籍期間(最初に入学を許可され在籍する回のほか次回又は次々回まで)相当の期間を経過した後、1年を経過しない者
ただし、前述の期間を経過した者であっても、日本競輪学校に在籍中、懲戒により退学を命ぜられた者は受験を認めない
キ. その他上記に準ずる事実がある者
ク. 規定により明らかに試験に合格しないと思われる者
入学願書の提出方法、試験内容は男子・女子ともに同じ。試験は第1次・第2次と2回行なわれ、第1次試験の合格者のみが第2次試験を受験可能となっている。なお、実技試験における合格者の最低タイムは公表されていないが、合格者の最高タイムと平均タイムは毎回公表されており、これが合格への目安となる。また、過去には競輪学校を中途退学・卒業した者には(再度の)受験資格はなかったが、現在は懲戒により退学を命ぜられた者でなければ条件次第で再受験・再入学が可能となっている。
第1次試験
実技のみ。願書提出の際には、以下にある技能試験または適性試験のいずれか1つを選択する(但し、選択後の変更は認められていない)。なお、女子の試験に使用する自転車のフレームは、日本自転車競技連盟における競技規則適合品の使用が可能となっている。
技能試験
主に自転車競技経験者が対象。自転車によるスタンディングスタートでの1000m走行時間、および400mフライングスタートからの200m走行時間を小倉競輪場で計測。
男子は、1000mタイムトライアルは1分10秒が一般的に合否のボーダーラインと言われている。参考に、第113期生入学試験1次試験における1000mタイムトライアルの平均は1分10秒52、200mタイムの平均は11秒54であった。また、競輪選手資格検定における合格ラインは、1000mタイムトライアルが1分15秒以内、200mタイムが12秒8以内とされている。
女子は、参考に、第114期生入学試験1次試験における1000mタイムトライアルの平均は1分20秒12、200mタイムの平均は13秒15であった。また、競輪選手資格検定における合格ラインは、1000mタイムトライアルが1分27秒以内、200mタイムが14秒0以内とされている。
適性試験
自転車競技未経験者が対象。垂直跳びの跳躍高と、背筋力計による背筋力を、競輪学校で計測。
第2次試験
身体検査 – 業務規程別表第1の「身体検査合格基準」で定める検査項目。
人物考査 – 口頭試問、適性検査・作文等の筆記試験。口頭試問では面接で志望動機などが問われ、また適性検査ではSPIを用いた基礎学力(国語力、数学力)が問われる。
実技試験(適性受験者のみ) – 競輪学校で、自転車エルゴメータ(台上走行試験装置)を用いた軽負荷での最高回転回数(回/秒)と体重負荷(実走行相当)での最高速度(km/h)と仕事量(kgm)を計測。
なお、国体などで自転車競技(トラックレース)において優秀な成績を収めている者については、1次試験が免除されることがある。
特に入学試験の直近にあたる世界規模(トラックレースだけでなく、オリンピックでの自転車種目以外を含む個人種目上位入賞者など)の大会において優秀な成績を収めた者は、特別選抜入試制度として別枠の試験が行なわれ、試験内容も大幅に緩和される。
この制度により、スケート競技で活躍した植松仁・武田豊樹・牛山貴広が入学している。ただ、西谷岳文の場合は金メダルを獲得した長野オリンピックが1998年開催と、受験時とはかなりの間があったことからこの制度での受験はできず、一般受験で合格した。また、世界自転車競技センター(WCC)における訓練受講により、大森慶一、永井清史、北津留翼、柴崎淳もこの制度で入学した。
また、適性試験では「他競技において優秀な成績を収めた者」を対象に、一次試験が免除される「適性の特別枠」が設けられている。
プロ野球やJリーグなど他のプロスポーツ競技経験者においては、退団した年とその翌年に限り一次試験が免除される規定があり、これを利用し松谷秀幸らが競輪学校に合格している。なお、この規定を周知させるため、プロ野球トライアウト会場に競輪学校ブースを設営して入学願書を配布するなど、より優秀な選手を獲得しようとスカウト活動にも取り組んだこともあった。
ほとんどの受験者は自転車競技経験者、または自転車競技未経験でも師匠(主に現役選手)の下で猛練習を積んできた者であるため、技能試験の受験者が圧倒的に多く、男子でも適性試験の合格枠は現状毎回5名とされている。但し、史上最年長となる45歳でGIレース優勝を果たした松本整、「怪物」滝澤正光(現競輪学校校長)、「中部の帝王」山田裕仁などは適性受験者(『適性組』とも呼ばれる)であり、競輪で活躍するためには自転車競技の経験者が有利になるかと言えば、そうでもない。
入学時には競走で使用するピスト(但し男子と女子ではフレームの材質が異なる)とロード走行用のロードレーサーの2種類の自転車を用意しなければならないが、適性試験枠で合格した者に対しては購入に向けて別途ガイダンスが行われる。
ちなみに、適性試験ではかつて第1次試験で持久力走、100m走、立ち幅跳びなども行われていたが、現在は垂直跳びと背筋力測定のみとなっている。これは、持久力走では鍛え方次第(努力)でタイムを縮めることができる一方で、垂直跳びや背筋力は鍛えても伸びるものではないため(「天性」の要素が強い)。
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